虚証と実証
漢方薬の処方には「証」と呼ばれる前提が欠かせません。患者個々に体質・体力・抵抗力・病状進行の違いがあります。
その証の判断は漢方医学の専門家に委ねられます。証の示すところに従って用いる漢方薬が選ばれます。
証は三つに分かれていて、「虚と実」「陰と陽」「気・血・水」があり、本章では「虚と実」について伝えましょう。
病気とは病邪が体に入り込んで活動している状態を言います。
「虚証」とは病邪が体内に残っていないのに、当人の体力が衰えて精気も残っていない状態を指しています。
やせ型や顔色が青白く、見るからに弱々しいと言うタイプです。このような人には体力低下を挽回する薬が処方されます。
「実証」は体内に病邪が残っているにも関わらず、体力は充実していて精気が溢れている人を言います。皮膚や筋肉がピンと張っています。
がっちりした体格で血色も良く、行動的なタイプの人です。病邪を追い払う薬が用いられます。
強力な発汗作用とか下剤等の薬を使用しても大丈夫と判断されます。
「間証」虚でもなく実でもないという「中間証」というべきタイプもあるようです。
漢方ではそれぞれの「証」に基づいて薬を選びます。西洋医学では下痢症状を治す薬に種類はありませんが、漢方では証に応じて手当が変わります。
下痢症状を治すにも、実証タイプにあったものを虚証タイプに用いると病状は更に悪化します。
現代医学では治らなかった病気が漢方治療によって快方に向かった例は多いです。しかし癌治療は現代医学です。
このように一長一短です。日本で現代医学と漢方医学の融合が進んでいるのは好ましいことでしょうね。
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