神経痛には何が良いのでしょう?
一口に神経痛と言って全般的な治癒方法があるかに聞こえますが、神経痛とは文字通り神経の痛みをそのまま病名にしたものです。
神経の役割は痛みや痒みを感じ取って、その部分に異変が生じていることを報せることです。
神経が感じ取る痛みは、圧迫・炎症・虚血が原因となって起こるとされています。しかし異常発生の部位というものは全身に及びます。
体に危機が迫っている事を報せるものですから、色々な病気が原因を作ります。従って痛みさえ治まれば良いというものではありません。
当然ですが西洋医学に従って治療を行うのか、それとも漢方薬を用いるのが好ましいのか。これは医師の診断を受けた後のことです。
とりあえず痛み全般を緩和する漢方薬は、
「ケイシブリョウガン」「トウキシギャクカゴシュショウキョウトウ」「マオウブシサイシントウ」「シャクヤクカンゾウブシトウ」などが挙げられます。
合わせて症状別に好ましいとされるものを、、、
個別に当てはめて以下に箇条書きにしておきましょう。
○標準的な体力で、下腹部が硬く張って血が滞り「悪血」の場合は「ケイシブショウリョウガン」が適当とされます。
○手足に冷えが発生している場合には「トウキシギャクカゴシュショウキョウトウ」が用いられます。
○倦怠感があるのに著しい症状が現れない「陰証」には「マオウブシサイシントウ」の処方となります。
○筋肉の痙攣を伴う発作性の痛みには「シャクヤクカンゾウブシトウ」が効果的です。
○骨の変形によって末梢神経が刺激されて起こる三叉神経痛には「ゴレイサン」が当てられます。ただし以下の症状に限定されます。
症状が口の渇き、排尿回数が少なく一回あたりの量も少ないといった水分代謝の異常(水毒)が認められる場合です。
これ以外の症状であれば効果は期待できません。漢方以外の方法を検討すべきでしょう。
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