漢方における陰陽

漢方医学の根本は古代中国の「陰陽五行説」に基づいています。これは大自然の成り立ちと運行を説いたものです。
この説は奈良時代に日本に伝えられ、我が国最古の憲法である大宝律令にも組み込まれていました。

漢方医学における治療方針は、用いる漢方薬の選択基準に従って決まります。それは人それぞれの状態を示す「証」によって行われます。
証は体質・体力・抵抗力・病状進行を漢方医学の専門家によって判断されます。その種類は次の三つに分かれています。
 
○陰陽(陰証と陽証)  ○気・血・水  ○虚実(虚証と実証)

この章では陰陽についてお伝えしましょう。

漢方医学が捉えている病気とは、、、

体力と病邪が戦っている現象だとされています。
この戦いがもたらす体力の消耗度合いと、病邪が広げている支配域を測るメジャーの一つが「陰陽」と言えるでしょう。
陰陽は量的な面にスポットを当てるのです。虚実は質的な面を担当します。

○陰証 病状進行が静的で潜伏的、そして寒冷の傾向があります。手足が冷えて寒気を訴えます。顔色は冴えず青白く、発熱はありません。
    従って用いる薬には体温を上げる効果が求められ、「ブシ」や「カンキョウ」を含んだものが処方されます。

○陽証 病状進行は動的で開放的、発熱性の傾向が見られます。そして炎症や充血を伴った症状を示します。
    従って体を冷やして解熱作用のある物が選ばれます。「ケイヒ」とか「マオウ」を含むものが良いとされます。

病気の進行度と体力の消耗度合いを、そして両者の関わり具合を量的に把握します。
体力が病邪より優位に立てば「陽証期」にあるとし、病状の進行で体力が劣った時を「陰証期」と表現します。

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